ケアサロンみらくる

産後のトラブル・・その原因は

お産の現場で・・
助産師として多くの出産現場に携わってきましたが、出産中に微弱陣痛や回旋異常となり吸引分娩や帝王切開になるケースがありました。普通分娩でも、腰に手を当てて辛そうに歩いている産婦さんや骨盤がグラグラするという産後ママも年々増えてきていました。出産直後はどこが痛いのかよくわからず、体に違和感があるまま、日々の育児がスタートします。
妊娠するとすぐに「リラキシン」というホルモンが、骨盤を支えている筋肉や靭帯を緩ませていきます。それにより産道が広がり赤ちゃんが通りやすくなります。妊娠後期では赤ちゃんだけでなく羊水や胎盤の重さが加わり、4〜5Kg
の重量がゆるゆるになった骨盤にのしかかってきます。妊娠中はこの重みを常に骨盤は受け止めているのでその周りの筋肉や靭帯はぐ〜んと伸びきってしまうのです。そして出産で握り拳より大きい赤ちゃんが産道を通過するので、出産直後の骨盤は最大限に広がってしまいユルユル状態MAXに。また、帝王切開でのお産の方も、妊娠中「リラキシン」の影響を受けたことは変わらないので骨盤は緩んでいます。このため出産直後のママには骨盤ケアがとても重要です。
生活環境の変化
昔の女性は、子供の頃から飛んだり跳ねたりといった遊びが多く、生活の中でもしゃがんで立つというスクワットの様な動作を日常的に行ってきたので、筋肉や靭帯が鍛えられて骨盤を締める力が強かったのです。現代女性は洋式トイレや家電製品の普及でスクワット的な動きをほとんどやらずに成長したので骨盤周りの筋肉や靭帯が弱くなってきています。ですから、昔の女性の頑丈な靭帯を緩ませるための「リラキシン」の量が今の女性には多過ぎてしまうのです。その結果、骨盤ユルユル妊婦や産後ママが増加。これが産後のトラブルの元凶ともいえます。体の土台である骨盤がぐらついたまま育児がスタートするので不調が出やすい状態です。
体を楽にする「骨盤ケア」
骨盤周りがぐらついたり、不調がある場合は、まずベルトや晒しで骨盤を支えてみましょう。骨盤に巻くときはベルトや晒しを締めるのではなく、「尿道・膣・肛門」を自分でしっかり閉めてから。内臓を引き上げるのを意識しながら骨盤の添わせるようにまきます。自分が立ったり座ったりが楽にできる強さがちょうど良い強さです。骨盤を支えることで楽に体を動かし、家事・育児を行う事ができます。